【現実か虚構か!?】クラインの壺
みなさまこんにちは。
現実のようなリアルな夢、夢を自由に操る術、
そんな「明晰夢」のお話を以前ご紹介させていただきました。
(過去記事はこちら→【空が飛べる!!】明晰夢からはじまる夢世界探検)
今、この瞬間が現実なのか虚構なのか、
「明晰夢」で言えば「起きたはずなのに夢の中」のようなこともあり、
普段は意識することもありませんが問われれば何を現実の確証とすればいいのか、
今私たちが生きているこの瞬間が、
映画『マトリックス』のような世界観かもしれませんし、
同じく映画『うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー』のような現象かもしれません。
かもしれませんが、実際はそれぞれ個人がそれぞれの現実の世界を認識し、
現実に向き合い明日へと進んでいっているのだと思います。
しかしながら時にはやはり不思議世界へ思いをはせることもあるかと思います、
前段で例として挙げさせていただいた2作品は、そもそも比類なき偉大な作品ではありますが、
今回はそのような不思議世界を描いた1つの小説についてご紹介したいと思います。
岡嶋二人さんが1989年に発表した、『クラインの壺』という小説です。
岡嶋二人さんという作家さんは、
井上泉さんと徳山諄一さんという二人のコンビのペンネームです。
この、岡嶋二人さんという小説家は、数々の名作を発表していますが、
そのペンネームでの最終作となった『クラインの壺』は、
1989年に発表されたとは思えないような、それこそ現代でも通じるような設定で、
0から物語を創り出す想像力と、技術の進歩を1から作り出していくような想像力に、
驚かされる小説となっています。
『クラインの壺』のテーマとなっている、VR(バーチャル・リアリティ)の世界は、
「フルダイブ式」の世界観となっており、2020年の現在においても実現化はされていませんが、
『ソード・アート・オンライン』など有名な作品が目白押しなジャンルですし、
そしてまだまだ未来を描いた作品ですが、それでも近い将来実現できないかと、
実際によりリアルなVRは研究がされている分野でもあります。
そんな分野を、実用化された近未来を描くだけでなく、
「実用化された近未来だからこそ起こる問題」をテーマ描かれています。
この『クラインの壺』ですが、
主人公はとあるVRゲームのテストプレイヤーとして参加することになります。
そして、様々な出来事がおこっていきますが、
だんだんと、今この瞬間の自分が「ゲームの中」にいるのか「ゲームの外」にいるのか、
あまりにリアルすぎる体験が故にわからなくなってきてしまうのです。
私自身過去に「明晰夢」で夢から中々覚めなかった経験があるからかもしれませんが、
この感覚って将来的に本当にVR技術が進化していった末に、
フルダイブという技術が生まれたとして、
今が現実かVRの世界なのかを認知させる仕組みや取り組みが、
VR自体の技術進化以上に求められていくように思います。
現実とVRの区別がつかなくなる事例って絶対に生まれると思います。
でもそんなVRの技術が今後ますます進化していったら、
怪我や病気などで体の自由が効かない状況においても、
意識を使って様々な体験をすることができますし、
研究されていらっしゃる方には感謝の念しかありませんが、
『クラインの壺』のような小説を読んだ後とはいえ、それはそれとして、
フルダイブのような体験をいつかしてみたいなぁと思っています。
そういう意味では、科学技術に頼らずともある意味では、
フルダイブのVR体験ができる「明晰夢」は、
今のところ私には一番実用的なのかもしれません。
読んでいただきありがとうございます。