【異世界探検!!】はてしない物語
みなさまこんにちは。
秋の夜長と言いますが、この季節は日に日に夕暮れ時が早くなり、
気がついたら暗くなっていますよね。
夏の間は、暑い日々が嫌に感じていたのが、
日に日に寒くなる外気に夏が恋しくなることもある季節です。
そんなこの季節だからこそ、最高級のファンタジー小説に身も心も委ねて、
どっぷりと異世界探検をするのも良いかもしれません。
ドイツの作家、ミヒャエル・エンデさんが1979年に発表した『はてしない物語』は、
のちに『ネバー・エンディング・ストーリー』という題名で映画化もされたので、
特徴的だった主題歌と共に印象に残っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
原作の『はてしない物語』は映画とはまた違った展開をみせており、
壮大なストーリーが一冊にまとめられていることによる、
大いなる没入感を堪能することが出来る小説となっています。
『はてしない物語』という小説がそもそも、
主人公の少年が本の世界に入っていくという、
現代の日本アニメでも多数みられる、
「現実世界の人間がファンタジーの世界に干渉する」という設定のため、
分厚いページ数の『はてしない物語』がもたらす没入感は、
好きな人にはたまらないのではないかと思います。
好きな本を読んでいると、「終わらないといいのに」と思って、
最終ページを読み進めるのが嫌になったりしたことはありませんか?
この『はてしない物語』は、とにかく分厚い本となっていますので、
楽しい小説の異世界に長くとどまることができます。
そんな『はてしない物語』ですが、主人公の本が大好きなバスチアン少年は、
ある日学校のいじめっ子から逃げて古本屋に入り、
そこで『はてしない物語』という妙に気になる本と出会います。
この主人公バスチアン少年が本を読んでいるという小説の中の「現実世界」と、
バスチアン少年が読んでいる内容の小説の中の「本の中の世界」が、
絶妙に書き分けられており、そのさらに外側にいる(と思われる)我々も含め、
もしかしたら我々も本の登場人物で外側の世界の別の誰かに読まれている存在なのでは、
そんな風に思ってしまうほど巧妙に設計された小説となっています。
また、バスチアン少年が『はてしない物語』の中で手にする、
「アウリン」というペンダントは、願いを叶えてくれる力があります。
なんの見返りもなくなんでも願いを叶えてくれるなら、
それこそどんな小説の世界であってもチート級のアイテムだと思いますが、
こういった想像力を掻き立てられるアイテムも登場し、
主人公の力にもなり、そして心を乱していくことにもなります。
バスチアン少年と空想の世界ファンタージエンとの物語、
秋の夜長にぜひオススメさせていただきたいと思います。
また、作家のミヒャエル・エンデさんですが、名言として、
「どんなふうに小説を書いたら良いですか?」という質問に対し、
「あなたの読みたいものを書きなさい。」とおっしゃったそうです。
この言葉、あらゆるシーンに応用できるような言葉だなって思って、
大きく影響を受けた言葉です。
マーケティング的には、「良いものを作ったら売れる」という発想より、
「ニーズがある物が売れる」という発想の方が大切だと言われることもありますが、
それでもそもそもやっぱり、「自分が読みたい」って思うものを書いた方が、
書いている方も楽しいし少なくとも1つは需要あるってことなのかなって思います。
そんなミヒャエル・エンデさんの『はてしない物語』は、
秋の夜長に異世界に浸りたい人にもオススメですし、
「これから何を作り出していくのか」不安に感じたり悩みに思った方にも、
巨匠の答えとして勇気づけられるのではないかなと思います。
読んでいただきありがとうございます。